CHORD-J は、地域の人々の目線からの地域医療を提供するためのお手伝いをすることを目標にしています。現場から正確にデータを収集し、それを分析することによって、より良い地域医療の提供に貢献していきたいと考えています。
現在は奈良県で地域医療再生のお手伝いをしています。
地域医療とは、病院や医療機関での一患者の治療やケアにとどまらず、地域住民全体の幸せを常に考えながら行われる医療のことをいいます。また、疾患の治療やケアだけでなく、疾病の予防や健康維持・増進のための活動、リハビリ、在宅療養のサポート、地域で暮らす高齢者や障害者の支援などの活動も積極的に行われることが理想です。
近年、医療に対する関心が年々高まっています。そのような中で、特に地域医療は大きく取り上げられており、各地域で取り組まれている課題です。マスコミでも多く取り上げられているように、救急車の受け入れ困難例をはじめ、このような状態は、医療を受けなければならない患者が、適切な医療を受けられない状況であることを示唆していると思われます。
病院における患者受け入れ困難例の増加は、急性心筋梗塞や脳卒中、あるいは多発性外傷や急性腹症の可能性のある患者、または周産期の患者を時間外で受け入れる体制が困難であるということがひとつの原因なのかもしれません。また、心拍停止の患者の受け入れ体制を地域ごとに正確に把握することが、今後、患者の搬送時間の短縮につながると考えられます。これらに加え、5大がん患者と糖尿病患者の地域ごとの治療の状況を正確に把握されていないのが現状です。
今後、各地域における医療の供給の実態を、医療機関の実データを調査することで詳細に把握し、かつ患者の需要に応じた供給がなされているかどうかを分析することが、これからの地域医療の向上に必要とされているのではないかと考えています。
本事業の目的は、地域医療の需給バランスを調査し、より良い医療体制を構築するための医療計画を提言することです。
具体的な項目は:
• すべての住民が必要な医療を、適時受けることができるということ(シームレスな医療)
• すべての住民が最適のケアを選択する機会と情報を得ることができるということ
• 医療機関は、最適の医療を行ったうえで、医療経営を成り立たせるということ
• すべての住民が医療の体制、あるいは、受けた医療に納得できるということ
• すべての病院が、自分の役割を理解し、果たすことができるということ
• 継続的に地域医療計画の PDSA ( PlanDoStudyAct )サイクルを回し続けることができるということ